2010年7月
大阪府堺市
専用住宅
敷地は分譲地としては安価になる旗竿敷地である。しかし現地調査を行うとそこは東に畑と貯水池、南には中学校と畑が広がる豊かな土地であった。南側の道は建築基準法上で道路とみなされておらず、東や南側の畑に建築するにはその地域での開発申請が必要なため、一定期間(もしくは恒久的に)建築が建てられないことがわかった。そこでプランとしては南と東に開き、北と西に対しては閉じる計画とした。1階の土間は敷地のL型を反転した逆L型の”とおり土間”とし、天井には2階につながるスリットを設けた。2階のダイニング、リビング、和室はレベルに変化を与え、天井の勾配もそれらの空間を効果的につないだ。家族の様々な距離感に呼応するかのように、いろんな場所でいろんな場面が展開する豊かな空間となるように努めた。